レッドクリフ PartⅡ2009年04月25日 23時47分30秒

今日は「レッドクリフ PartⅡ」を観て来ました。
それに備え、先日テレビ放送されたPartⅠを観てから行きました。

冒頭から、孫尚香が曹操軍に単身乗り込んでます。(笑)
ま、スパイってヤツですね。
ってか、孫権の妹っすよ?
普通、許されないでしょ。(笑)
しかも、敵軍の兵士と仲良くなってるし。
その兵士がまたアホで、孫尚香を全く疑いもしないし。
まぁ、そのキャラクターが、ちょっと「ほのぼの」感を出してくれるのですが。
ある意味、曹操軍の敗因の一端を、この兵士が担いでるな。(笑)
でも、最後に孫尚香の目の前で討ち死にするので、可愛そうではあります。

続いて、曹操軍の策謀で疫病が蔓延したため、劉備軍が離脱するのです。
「それはないだろ~」と思いました。
劉備の取り柄は、仁義に厚いところしかないのに。(笑)
確か僕が読んだ「吉川三国志」では、孔明が単身呉に乗り込んだはずです。
結局は火計が成功した後、曹操軍の背後を突くのですが。
劇中では離脱になってますが、元々、劉備軍は曹操軍の背後を突く役割で待機していた気が…。
と言うか、長坂で大敗した劉備軍に大した戦力は残ってないので、曹操は呉の打倒に専念してた気が。(笑)
果たして、劉備と周瑜の策謀だったのか、劉備が心変わりしたのか…。
劇中ではどちらとも取れる台詞があるので分かりませんでした。

それと、劉備軍では…。
張飛が凄い。
胸に2本、背中に1本矢を受けたのに、元気に最後まで戦ってました。
どこまで丈夫やねん、張飛。(笑)
趙雲は周瑜と友情状態になってますし。
曹操が逃走しないから、関羽は見せ場がないし。(笑)
孔明と周瑜は最後まで仲良しだし。

演義では、周瑜は孔明の智謀を恐れて、赤壁の戦いに乗じて殺害しようとしてたんですよね。
そのための「10万本の矢の調達」が、劉備が離脱する際に矢を持って行って足りなくなった事になってますし。
龐統の「連環の計」も触れられる事なく、普通に船団を連結させてましたし。
更に、赤壁の勝利を担ったのが、小喬になってるし…。
単身曹操軍に乗り込むなんてあり得ないでしょ。(笑)
小喬が煎れたお茶のせいで曹操が火計を仕掛けられなかった事になっていますし。
演義では、黄蓋の偽装投降が引き伸ばしたはずなのに。
黄蓋は苦肉の計で火計を成功させたのに、この映画ではあっさり却下されてました。(笑)
それでいて、周瑜が蒋幹を策に乗せ、蔡瑁と張允を殺害するストーリーは演義のままですし。

ちなみに、PartⅡを観て、中村獅童が何で「甘興」なのか分かりました。
戦死させるためですね。(笑)
間違いなく「甘寧」をイメージしているのですが、「甘寧」を赤壁で殺したら演義と違いますからね。
それと、曹操軍の「夏侯雋」と言う将軍も。
「夏侯」なんたらとか言う名前にしておけば、あたかも存在したような感じですし、それでいて架空なので、戦死させても問題ないもんね。(笑)
良く考えますね~。

最大に納得いかなかったのは、ラストですね。
曹操が敗走しないってどういう事?
それより、孫権、周瑜、劉備、関羽、張飛、趙雲らに囲まれて、曹操が見逃されるって。
あり得ないでしょ。
少なくとも、劉備が見逃すってないよね?
だってさ、演義では、献帝がないがしろにされている状況を憂いて、曹操暗殺に加担したせいで、曹操に追われるようになった訳ですし。
むしろ、ここぞとばかりに曹操を殺害し、献帝を擁立しようとするよね?
そのために曹操と戦ってる訳なので。
絶対、納得いかない!(笑)

てな具合で、ところどころ僕が知ってるストーリーと異なる場面がありまして、三国志好きな僕としては、不満が多かったりもする訳です。
でも、映画として観ればデキはかなりいいです。
曹操の大船団に火計を仕掛け、南東の風に乗って炎が広がっていく映像は、これまで見た事のない迫力でした。
また、各武将の戦いは相変らず「三国無双」ちっくで、爽快でした。
僕のように、演義のストーリーと比べたりする事なく、一つの映画として観ると、とても面白いと思います。
オススメです。